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腐界に眠る王女のアバドーン レビュー (by 十文字京太郎)

腐界に眠る王女のアバドーン

 

作品名 :腐界に眠る王女のアバドーン
サークル:さくらぷりん
価 格 :2400円(税別) ※5月中は特別割引で1800円(税別)
ツール :RPGツクール??
評 価 :★★★★☆

本作の概要

腐界に眠る王女のアバドーンは、
DQTを再現したエロRPG『パロゴンクエスト』でも有名な
『さくらぷりん』さんの新作エロRPGです。

 

約3年ぶりとなる新作エロRPGで、私も発売が今か今かと待ちわびていました。
発売後も1週間足らずで5000ダウンロード突破してますし、
既に攻略サイトなんかも、いくつか確認できるほどの人気ぶりです。

ストーリー紹介

暗い森にひっそりとたたずむ今は誰も住んでいない「綾小路邸」…。

 

この館の探索に出た大学教授、山之辺の息子である焔は、
父が忘れた鍵を届けるため友人3人と一緒に「綾小路邸」を訪れます。

 

その最中、山之辺教授のゼミ生二人とも合流した焔たちは、突然館の中に閉じ込められてしまいます。
しかも館の中には異形の者たちが徘徊していた。

 

死の危険と隣り合わせの恐怖や、館内で起こる異常現象に耐えながら、
焔たちは山之辺教授を探し出し、館からの脱出を試みるのだった。

腐界に眠る王女のアバドーンの特徴

館探索型のホラーRPGで、戦闘形式は3人パーティーのフロントビュー。

 

シナリオ・キャラクターこそオリジナルではありますが、
ゲームシステムは1989年にカプコン発売されたファミコン用ソフト、
『スウィートホーム』を再現・プラス要素を加えた作品に仕上がっているようです。

 

基本画像140枚以上という大ボリュームですが、
ラブラブあり、凌辱あり、寝取り・ネトラレあり、ボーイズラブあり、百合百合ありという非常に幅広い内容。
またエロ以外の残酷描写や恐怖系描写もあるほか、
周回プレイが前提のマルチエンディング方式になっています。

 

更に『死んだら生き返らない』『アイテム所持数に制限』『全回復場所・回数の制限』など、
非常に難易度の高いエロRPGです。

 

ちなみに1プレイは3時間程度でしょうか。

腐界に眠る王女のアバドーンの長所

高性能なシステムの数々

例えばですが、『エンカウント率はパーティー先頭メンバーのレベルにより下がる』
『影になっている部分はエンカウント率が上昇』といった周回プレイを前提としながらも
遊び易さの工夫も忘れない高性能なシステムに好感が持てます。

 

また昔のファミコン風なレトロ感のほかにも、『モンスターグラフィックが揺れる』や
『マップグラフィックの木々が揺れる』『雷の演出』などなど
恐怖感を盛り上げるような細かい作り込みも見られ、とても高性能なシステム設計が半端ない感じです。

 

恐怖を盛り上げる『ハイド&シークモード』

館内を探索していると、『恐怖の存在』や『蠢くもの』といった戦闘では勝てない敵から
ひたすら逃げるというモードが搭載されています。

 

柱やベッドの下、タンスなどに隠れてやり過ごすのですが、
これらの存在に見つからないように祈ってしまうような演出もあり、
ドキドキハラハラ感が持続するようなシステムが作風と相まって楽しめるような展開が設けられています。

 

幅広いエロシーン

CG集も出されているサークルさんだけあって、エロCG・エロシーンのクオリティーはトップクラス。

 

回想モードもしっかりしていますし、何よりラブラブや凌辱だけではなく、
寝取り・ネトラレやMシチュなんかもあって、かなり幅広い内容です。

 

エロシーンの満足度も高い一作と言えると思います。

 

少しずつ明らかになる館の謎

館を脱出するには恐怖の館の謎を解明する必要があります。

 

1回のプレイでは謎を解明することはできず、
2回目以降のプレイで少しずつ館の全容が明らかになっていきます。

 

各キャラのトゥルーエンド(BL含む)のほかに、あるキャラ固定のルートもあり、
館の全容を解明するのが楽しいシナリオ展開が用意されています。

 

ホラーミステリーが好きな人には、楽しめる内容ではないでしょうか。

腐界に眠る王女のアバドーンの短所

難しいゲーム設定

各キャラクターには恐怖値(HPのようなもの)の他にライフゲージがあり、
このライフゲージがゼロになると死亡してしまいます。

 

死亡したキャラクターは復活しません。

 

また回復アイテムが非常に重要な位置を占めますが、
アイテム所持数に制限があるため、いくつも持ち歩くことはできません。

 

アイテムは一人につき3つまでの所持できますが、武器枠で一つは埋まってしまうでしょうし、
『ちいさな鍵』や『マッチ』など館の探索に不可欠なアイテムも所持する必要があります。

 

このためゲームの難易度が非常に高く、人によってはクリアできなかったり
詰んでしまったりすると思われます。

 

ボーイズラブ、百合のほかに残酷描写ありの人を選ぶシチュエーション

長所で幅広い内容のエロシーンを上げましたが、
ボーイズラブ(解除可能)や百合展開といった人を選ぶ要素の他に、
殺害シーンなどの残酷描写(スプラッタシーン)も含まれます。

 

こうしたことに耐性の無い方は、それだけでゲームのプレイが難しいと思います。

 

周回プレイ前提で、回収しにくいエロシーン

本作は序盤に探索メンバー2人を決定し、以降は終盤近くまでメンバーが固定されてしまいます。
このためエロシーンの数は多いのですが、周回プレイを何度もしないとエロシーンを回収できません。

 

またエロシーンは後半に集中していることが多く、ゲームの難易度も高いので
シーン回収には時間を要します。

 

ヤリコミ好きの人でも大変な内容でしょうし、ライトゲーマーさんには厳しい作品かと思います。

腐界に眠る王女のアバドーンの個人的な評価

非常に高性能なシステムと、ホラーRPGの名にそぐわぬ恐怖演出、
CGやエロシーンのクオリティーなどは他のエロRPGと比較してもトップクラス。

 

反面、ボーイズラブや難易度の高さ、残酷描写といった人を選ぶ要素があり、
万人にオススメできるわけではない。

 

人を選ぶ作品ではあるが、ハマる人にはハマるだろう。

 

ゲーム性 ★★★★☆

 

シナリオ ★★★★☆

 

イラスト ★★★★☆

 

エロさ ★★★★☆

 

独自性 ★★★★★

 

体験版をプレイして、「面白い!」と感じた人には買いと思いますが、
苦手要素を多く抱えた人には強くプッシュ出来ない点がマイナスでした。

 

個人的には、「BLやドット絵が無ければ価格は低くできたのではないか」とも思います。

 

ただ、「作りたいものを作っている」という同人ゲームならではの
原点が垣間見える作品でもあるかなとも思います。

 

今後の作品にも期待の持てる一作でした。

 

あと余談ですが、初回プレイは『やちか』と『きっぺい』がオススメです。

 

『やちか』は女子の割に戦闘能力が高く、『ヘアピン』という鍵が必要な宝箱を開けられる
固定アイテムを所持。

 

『きっぺい』はリュックという固定アイテムを所持しており、アイテムを6個まで持てる便利キャラです。

 

また『せいじろう』を仲間にすると東館ルートに進んでしまい、
別の西館ルートに比べると難易度が高いので、『せいじろう』は2週目以降に
仲間にした方が良いかな〜と思う今日この頃でした。

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本レビューについて

執筆者:
十文字京太郎

 

本記事は2014年5月14日発刊の『大人のRPGマガジン No.171』内に
記載された「徒然ERPG日誌 番外編1」を再編成して掲載しております。

 

 

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